Still Life

残念IT系母ちゃん。旦那さん、娘1歳、猫の4人暮らし。

【乳児にはちみつを食べさせてはいけない】という情報を得る機会はあっただろうか。そして他に注意すべき食品は?

生後6ヵ月の赤ちゃんがはちみつからの乳児ボツリヌス症で亡くなりました。
わざわざジュースを作ってはちみつを入れていたなんて、親御さんはおそらくは知らなかった、または誤った情報を仕入れてしまったのではと想像します。子のためを思って手間暇かけたことが命を奪うことになってしまったと思うと、いたたまれない気持ちになります。

はちみつNGはいつどこで知ったか

乳児にはちみつNG。これ知ってた人はどれくらいいたでしょうか。
わたしはたまたま「美味しんぼ」で離乳食にはちみつを使った回があり、お詫びが掲載されたという話をネットで読んだから知っていました。それを知らなかったとして、果たして娘の離乳開始までに知る機会はあったでしょうか。


離乳食に関してわたしが参考にしていた情報は、母子手帳、母子手帳と一緒に配られた育児情報の冊子、そして4ヵ月検診の時に配られた離乳食の冊子(とこのとき開催された講習)です。
これらに、はちみつのことは載っているでしょうか。


まずは母子手帳。

ありました。右ページの上の方。ただ、わたしはこれ読んでませんでした。。



次に育児冊子。赤枠で大きめに書かれています。最初にこれで知ることができた可能性は高いです。



しかし、4ヵ月検診の時の冊子には記載が見当たりませんでした。(見逃している可能性がありますが。)
それが問題だったのか、検診時に開催された離乳食講座では、教室の前方に大きく手書きで「はちみつを与えないこと」と書かれた紙が貼ってあり、また講座内でも説明がありました。ただ、「1歳まで」ではなく、違った制限をしていた気がします。それが8ヵ月だったのか、1歳半だったのか、忘れてしまったのですが。
どっちにしろ、どんなに遅くてもわたしはここで知ることができたと思います。

ちなみに、生後7ヵ月で開催される区の離乳食講座は当日悪天候だったため、欠席してしまいました。


離乳食講座の冊子の中に注意書きがないかわりに、生肉を与えないよう注意する紙が挟まっていました。生肉を食べさせないという昔の常識が、最近は薄まってしまったので、こちらのほうが危機感が大きいのでしょう。この注意書きは先の育児冊子にも大きめに取り上げられていました。
はちみつのほうは厚生省による通達から30年。母子手帳には記載されていましたがこの小ささです。これは浸透しているといえるのかいえないのか。もともと稀な病気ではあっただろうし、肉の生食とは逆に、30年も経つとむしろ危機感が薄まってしまった結果なのかもしれません。

NG食品は他にもある?

はちみつと同じようにボツリヌス菌芽胞が混入している可能性のある食品がほかにもあることについては、わたしはあまり意識していませんでした。

ボツリヌス菌の芽胞は土壌に広く分布しているため、 食品原材料の汚染防止は困難です。ボツリヌス食中毒の予防には、食品中での菌の増殖を抑えることが重要です。
食中毒を起こす微生物 ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局より

ボツリヌス菌の芽胞に汚染される可能性のある食品として、上記サイトでは例としてはちみつしか挙げられていませんが、乳児ボツリヌス症とはによると、他には

ハチミツ、コーンシロップ、野菜ジュースなど

が挙げられています。

はちみつ以外の原因での症例は何があるのでしょうか。

感染源としては、国内患者の半数がハチミツを摂取した後に発症しているが、最近ではそれ以外の原因食品でのC型、1996 年東京でのA 型菌毒素の報告例では、野菜スープが原因食とされている。
乳児ボツリヌス症とはより

東京都感染症情報センター » 自家製野菜ス−プが原因と推定された乳児ボツリヌス症(第18巻、3号)に、東京都の例が詳しく載っていました。

昨年東京都で発生した乳児ボツリヌス症は、疫学的に自家製野菜ス−プが原因食品として推定された症例であった。
...(略)...
入院直後の青果店舗と居室の塵埃を検査したところ、青果店舗の野菜屑等の塵埃からA型ボツリヌス菌が検出された。更に1ヶ月後の店舗の塵埃からも、A型ボツリヌス菌が検出された。

土壌から菌がやってくるのだから、野菜全般アウトなのでは?と思ってしまいますが、国内では土からの汚染は稀なのだそうです。

ボツリヌス菌は元来土壌細菌であり、国内の土壌中から比較的容易に見いだすことができるが、国内の乳児ボツリヌス症の原因となったA型、B型菌は国内の土壌中には稀であるため、国内での汚染よりはむしろ海外で汚染された輸入食品が原因になった可能性が考えられる。
乳児ボツリヌス症とはより

この野菜スープの野菜が輸入品だったかどうかはわかりませんが、国内の土壌中での菌は稀であるのなら、輸入野菜より国内産のほうが安心だという話になりそうです。
それから、この例では青果店の埃から菌が検出されたようなので、店舗の衛生状態や野菜が包装されているかどうかも、注意できることなのかもしれません。

ほかの食品ではどうでしょうか。

ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生されます。
食中毒を起こす微生物 ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
より

つまり十分な加熱(120℃4分間、あるいは100℃6時間)をせずに密閉して長期常温保存する食品(缶詰や瓶詰)全般が要注意なのではないでしょうか。思いついた限りでは、オリーブオイルやオリーブの実の塩漬け、トマトの塩漬けなんてものもありますが、これらは加熱処理されていないですよね。さすがに塩漬けを食べさせる親はいないと思うけど・・・と、今軽く検索した限りだと、これらを赤ちゃんに食べさせないで!なんて情報は見つからないどころか、離乳食にオリーブオイルはお勧めという情報がわんさか出てきました。大丈夫なのでしょうか。

オリーブの塩漬けの症例は以下が見つかりましたが、これは大人の症例です。
東京都感染症情報センター » 東京都内で発生したグリ−ンオリ−ブによるB型ボツリヌス食中毒事例

症例がないのだから特定の食品を取り上げて注意喚起するのは難しいことなのかもしれません。でも感染源が不明な例が国内に4例もあることも考えると、ボツリヌス菌の芽胞が発芽しそうな環境下についてよく考えて、判断していくのが最善だと思います。

本当はもっと発症しているかもしれない

そして最後に、今回わたしが初めて知ったもう一つの話。

乳児の突然死症候群(sudden infant death syndrome)の1原因という説もあり、突然死症候群の数%は本症によるという海外での報告もある。
乳児ボツリヌス症とはより

そうです。
今回ニュースになったお子さんは、厚生省通達のきっかけとなった1986年以降「全国初」と報道されていますが、そうではない可能性もあるわけです。

稀とはいえかかれば重篤になってしまう乳児ボツリヌス症。予防ができる病気は研究や周知を進めて予防していき、赤ちゃんがみんな健康でいられるような世の中になればいいなと思います。