何度か言ってますが、徳田さんとはわたしがメインで弾いているバイオリンの名前です。
なんてことはない、徳田さんという方が製作されたバイオリンなのです。箱の中のラベルにTOKUDAと書いてあります。
さてこの徳田さん、以前からE線のペグが、箱の中で折れかかっているらしいと指摘されていました。
先生も、工房の方2方も、ちょっといじってそうおっしゃったのでもう間違いありません。
でもすぐには影響することではないだろうと思い、直してもらうのはそのうちにしようと思っていました。
レッスンはじめの調弦は、A音だけチューナーで行い、あとは2弦一緒に弾くことで合わせています。わたしが弾きながら「・・・高いですか?」等とあてずっぽう?で先生に聞く、といった状態です。
今回のレッスンはじめの調弦では、音がかなり狂ってしまっていたので、ギブアップして先生にお願いしました。
そして先生がE線のペグを触ったとたん、これはもう折れてる!って教えてもらいました。。。
もうだめだよ。いますぐ下(工房)へ行ったほうがいい。
とのことなので、レッスン中は教室にあるバイオリンをお借りして、終了後にすぐ工房に持って行きました。
いつもの工房の方は、予約なしなのに丁寧に見てくださり、結果、1本だけ交換することになりました。
徳田さんのペグはつげでできているそうで、この木材は相当材質が良くない限り、もろいのだそうです。
それから、ペグの穴が相当大きいそうです。ペグは本来穴の大きさに合わせて、削って細くしていくそうなのですが、徳田さんのペグは全く削られていないそうです。
これがすなわち問題というわけではないようですが、ペグが太いとペグ同士が干渉しやすくなるので、弦が切れやすかったりと影響もあるようです。
悪いことに、ペグは1本だけバラでは買えないそうです。もし本格的に交換となると、4本全て交換、しかも箱の穴も削りなおし、埋め直しが必要で、けっこうな大手術となります。
でも工房の方は親切にも「ペグは適当なのをみつくろってサービスしますので、E線だけ穴を埋めて交換しましょう」と言ってくださいました。
他の3本も脆いつげ材であることだし、いずれ総取替えするのなら、しばらく1本だけ違うペグでもいいかなと思い、お願いすることにしました。工房の方は、ペグがお揃いにならないことを心配して「なるべく似た色のを探しますし、色を塗ることもできますので・・・」などと言ってくれましたが、わたしのほうから、色は違ってもかまわないですと言いました。
ペグが1本だけ違うって、実はオシャレかも!と内心期待してたりして。
それにしても、本当に良心的な工房です。そもそもここで楽器を買ったわけじゃないのに。
徳田さんといい、ロマンザといい、おせじにも高級とはいえないであろう楽器をとても丁寧に見てくれて、しかもなるべくお金のかからない方向での提案をしてくれます。もちろんサービスも相当してくれていると思います。
徳田さん入院中に代替楽器を貸してもらえるそうですが、ロマンザさんがいるし、借り物の楽器を壊してしまうのが心配なので、お断りしました。
来週は徳田さんが帰ってきます。
製作者が丹念に彫り出し、演奏者が毎日弾いて、そしてたくさんの調整の手が入って、バイオリンって作り続けられる楽器なんだなって思います。他の楽器でも言えることなのかもしれないけど、バイオリンって特に顕著な気がします。
素晴らしい楽器の趣味が楽しめて、わたしってラッキーだなって思う。