初心者向けの料理本には大抵定番メニューとしてハンバーグが載っています。しかし料理を作れる人から見れば意外かもしれませんがハンバーグって難易度高いんです。
【今日の酷い料理】ハンバーグです!! pic.twitter.com/sVmyVt0Q7M
— アオドリー (@Aodrey) 2015年5月30日
わたしの母はメシマズというわけではないと思うのですが、料理好きでもなくて、市販の合わせ調味料をガンガン使ってました。
わたしの母の一言ベストコレクションの一つは「ハンバーグヘルパーってのを使ってみたら出来合いのハンバーグみたいにおいしくできたのよ!」です。

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- メディア: 食品&飲料
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あれ?もしかしてウチってメシマズだったのか・・・??
そんなわけで難しい料理であるハンバーグ。なぜ難しいかというと、まず面倒なんです。
社会人1年生の時に買った「小林カツ代の基礎のおかず」という本があります。

- 作者: 小林カツ代
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 1995/12/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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しかしハンバーグは例外です。この本では以下のようなレシピです。
材料(4人分)
- 牛ひき肉300g
- 豚ひき肉50g
- 玉ねぎ1/2個
- 卵1個
- 牛乳1/4カップ
- パン粉1カップ
- 塩小さじ1/2
- こしょう少し
- サラダ油小さじ1強
- ボールに卵をほぐし、牛乳を混ぜ、パン粉を加えてしとらせる。玉ねぎはみじん切りにし、サラダ油少しで炒める。
- 別のボールに2種のひき肉と塩、こしょう、冷ました1の玉ねぎも入れ、ざっとまぜ合わせる。しとらせたパン粉も加え、手でつかむようによくまぜる(粘りがでるほどは練らないこと)。これを四等分し、ざっとまとめて、両手でキャッチボールをするように軽くたたきつけながら行き来させて、空気抜きし、形をととのえる。
- フライパンにサラダ油を熱し、2を入れて蓋をし、強めの中火で両面を焼き、七~八分どおり火を通す。上からハンバーグの半分の高さまで熱湯を注ぎ、強火で煮立て、蓋をする。水けがなくなったら弱めの中火にして蒸し焼きにし、盛りつける。ソースの材料をフライパンで煮立ててかけ、野菜を添える。
※ ソースの材料は省略。
大変じゃないですか?スーパーで焼くだけのやつを買って来たくなります。しかもこれポークソテーの次、2番手に出てくるんです。
このレシピにもいくつか共通していますが、よくあるハンバーグの面倒ポイントは以下の通りです。
- 玉ねぎをみじん切りにしてあらかじめ炒める
- パン粉を牛乳で湿らせる
- 肉のこね方がレシピによって違う。粘り気を出せだの出すなだの。
- ナツメグとかいうスパイスを買わされる
料理初心者、というかメシマズマインドでこのような工程にぶち当たると、その工程の意味がわからないので従う気がなくなるんです。
その結果色々残念なことになり、ハンバーグって難しいとなるのです。
意味分からないから従わないの意味が分からないですよね。すみません。わたしはもうその段階は抜け出ていると思います。
人気者でありながら、初心者だからと容赦しないハンバーグですが、ここにきて新たな時代を迎えたようです。
革命です。
このブログでも何度か言及している、わたし大絶賛の「きょうの料理ビギナーズ」。4月号は新年度だからか定番おかずが特集されています。
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材料(2人分)
- 合いびき肉300g
- 玉ねぎ1/2個
- 卵1個
- 塩小さじ1/4
- こしょう少々
- 玉ねぎはみじん切りにする。ボウルにハンバーグダネの材料をすべて入れ、少し粘りが出るまで手早くしっかり練り混ぜる。
- 2等分にして、右手から左手、左手から右手へとタネをたたきつけて中の空気を抜き、小判形にして中央を少しくぼませる。
- フライパンにサラダ油小さじ1を弱めの中火で熱し、タネのくぼみを上にして並べる。2~3分間たって焼き色がついたら上下を返し、弱火にして5~6分焼く。器に盛り、ソースをかける。野菜を添える。
※ ソースの材料は省略。
あれ?面倒ではない?
てかすごい簡単?
作ってみました。
簡単に出来ました。
写真を撮り忘れたのでエビデンスが貼れないのですが、味はおいしくできました。
形は少々?崩れてしまったので近いうちにリベンジします。
その味なんですが、なんというか、肉っぽいんです。
パン粉も片栗粉(入れるレシピもある)も入れていないので肉成分は濃いのは当然としても、食べ応えのある、肉料理食べてるぜーって感じがなかなか良かったです。
昭和の家庭で作るハンバーグは、少ない肉を少しでも多くするための工夫として混ぜ物をしているんですね。「聡明な女は料理がうまい」でも、肉の高価さを嘆いた後にこのような記述があります。
近ごろはマクドナルドのハンバーグ・チェーンが日本でも猛威をふるいだしたが、ああいうアメリカ式ハンバーグというのは、ひき肉をただそのまま丸く平べったくして焼くだけで、あいそうのないことおびただしい。アメリカでは肉のカサをふやそうなんて気は別になく、堅いものをやわらかくして食べるための手法としてハンバーグがあるらしい。だから、ひき肉ステーキ(グラウンド・ビーフステーキ)と呼ばれることが多い。日本式のハンバーグは少しの肉をたくさんに食べようと、パンとか、ねぎとか、いろいろまぜものをするわけで、いじましい知恵ではあるけれど、私はこのほうがずっとおいしいと思う。

- 作者: 桐島洋子
- 出版社/メーカー: アノニマ・スタジオ
- 発売日: 2012/09
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それが時代が変わり、肉は安くなりました。なったんですよね? 豚バラや鶏ささみ、そして合挽き肉なら魚の切り身より安くて、ささみなんてウチでは常備食材レベルです。そしてみんなお肉大好き。外食をしてもファミレスの花形ハンバーグはどごも肉のジューシーさがあると思います。もはや混ぜ物をするメリットがあまりない。じゃあやめて簡単に作ろうよという、きょうの料理ビギナーズからの至極簡単な提案なのですが、わたしにととってはびっくりな革命的提案なのでした。
こんな感じで料理一年生生活を送っています。