
- 作者: 松永暢史
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2014/12/16
- メディア: 単行本
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ここ1カ月ほど、毎週末図書館に行くのが習慣化しています。
一度本を借りてしまうと、返すために図書館へ行き、また借りてしまうので通いやすくなります。
借りたい本はあらかじめサイトで予約しておけば良いので、書架を眺めてこれを借りようと思うことはあまりありません。
ただ、予約本は受け取れるまでに早くても1週間はかかるので、今すぐ絶対に読みたいというよりは、ちょっと読んでみたいなあというレベルの本をじゃんじゃん借りるスタイルになります。そしてわたしの読書速度では読み切れないので、気に入った本は「いずれ買おう」の心の積読になっていきます。
娘の分の図書館カードを作り、絵本は娘の名前で借りています。
毎週どんどん本棚の絵本が入れ替わっていくので、読んであげるほうも楽しいです。娘に触れたり抱っこしたりができない旦那さんも、絵本を読んでやることはできるので、楽しい絵本タイムになっています。
さて表題の本ですが、kindleで買ってしまいました。
こういう本こそ図書館で借りてじゃんじゃん流し読みするのに丁度良いと思うのですが、まだ図書館通いが習慣化していない頃でした。
子供の教育には読書が良いという本です。
特に、親が読み聞かせてあげることが大切。自分で読める年齢になっても、子供は読んでもらうことを楽しむそうです。
親の読み聞かせは読書量としてしっかり換算されているし、とにかく量を積むことが大切で、読書量を「貯金」に例えているほどです。
また、耳から音として聞くのが非常に大切たそうです。そして著者の経験から読み方のポイントも指南してくれています。
キモになるやり方があります。口をしっかり開け、意識して文字を一言一言、ハッキリ読むことです。
すべての音をしっかりと、同じ強さで発音します。
私はこれを、「一音一音ハッキリ読み」と呼んでいます。
たとえば、「じいさは 山へ しばかりにいき、」は、「じ・い・さ・は」と読むのだそうですが、わたしはこれには疑問です。
ひらがなは表音文字ではありますが、音と文字は必ずしも一致しません。この例では、「長音を母音で表している」という表記のルールが先行しているだけなので、「じー・さ」と読まなければ間違いになると思います。
しかし基本的に「一音一音ハッキリ読む」ことには納得です。
情緒たっぷりに読むと早口になり、子供の耳に届いていなかったという事例が紹介されていました。
その他の注意点として、「文章を変えて読まない」こと。
たとえば、「~でした」という語尾を「~なんだって」などと変えてみたり、ちょっと難しそうな言葉を簡単な言葉に言い換えてみたりといったことはやめましょう。
これは注意しないとついやってしまいそうです。まだ反応の薄い赤ん坊に読んでやっている状況の気恥ずかしさからか、既に「~なんだって」はけっこうやっていると思います。
最後のポイントとして「音の良い絵本を選ぶ」こと。これは現在実感しています。
今、うちの本棚には以下の2冊の絵本があります。
「じゃあじゃあびりびり」は図書館で借りていて、「ばっばばーん」は母がプレゼントしてくれた絵本です。
鮮やかでシンプルな絵と擬音だけのかわいらしい絵本で、娘はどちらの本もよろこんでめくったり眺めたりしています。どちらも同じような本だと思ってしまいますが、読み比べてみると、「じゃあじゃあびりびり」のほうが圧倒的に読みやすく、優れた本だということがわかってしまいます。ここでいう「音の良い絵本」というのは、こういう絵本のことを言うのだと思います。
本書では音の良いおすすめの絵本が紹介されていますが、残念ながら0歳向けの本は入っていませんでした。0歳向けも選定すれば、きっと「じゃあじゃあびりびり」が挙がっていたことでしょう。
本書ではそのほか、童謡や紙芝居も良いことや、本があるのが当たり前な環境で親が本を読む姿を見せることも勧めています。
1日のうちで本を読む時間を決めてしまうと、子供に良い習慣がつきやすくなるとあり、そのとおりだろうなとうなずきました。
育休中の現在はちょっと気を緩めるとすぐにぐだぐだな生活になってしまいます。ひどいときは授乳中から次の授乳時間までずっとスマホを見ているというありさまで、自己嫌悪な毎日です。何時に何をやると決めて行動することを実践中で、なかなか思い通りにはいっていませんが、子と一緒に今からでも良い習慣を身につけようとしています。
現代において子育てをしている方々に、子どもにテレビを見せるなと言っても難しいでしょう。親の方がテレビやゲーム、スマホに夢中ということもあります。
ですが、親もすべて遮断する必要はなく、できるだけ子どもの前ではやらないようにすればいいのです。
この語り方は勇気づけられました。スマホに夢中になっては、「スマホに子守をさせないで」のスローガンに心を削られていたわたしには、とても優しい文章に感じました。
※ このポスターはきついです。赤ちゃんにスマホ画面を見せると赤ちゃんの育ちをゆがめるんですって。元素図鑑をぐるぐる回して見せてあげてた旦那大ショック。
本書の著者は読書を指導してきた方なので事例の紹介はあるのですが、統計の話はたった1つしかありません。しかも、読書が習慣化している子供は3人に1人という話で、著者が本書に書く効能を補強するもではありません。
「「学力」の経済学」を読んだあとだと、根拠に乏しいなあと思わないではいられません。
読書が有効な教育法であるかどうかよりも前に、親の希望として本が楽しめる子になって欲しいと思っているので、本書が挙げたノウハウに異論を唱えるつもりはないのですが、主観的だなあとは思ってしまいます。全体的に効能を盛りすぎだし、たとえば「大人になって成功する人はみんな読書家」などという話はちょっと引っかかります。
しかし、この本を紹介していたトピシュさんが
読書習慣がない親向けの本としてはこれぐらいじゃないと厳しいところがある
とおっしゃっている通り、「「学力」の経済学」を読んでいないわたしがエビデンスてんこ盛りの本を手に取ったら、挫折しているかもしれません。
本書では読み聞かせがうまくいっている目安として、子供が繰り返し読んで欲しがる一冊が出てくることを挙げています。そして、読み聞かせていないときも、子供が本を「眺めている」時間を作るのが良いそうです。そういう意味では赤ちゃんも「読書」をするそうです。
たしかに娘も本を眺めたりめくったり、破いたりかじったりしています。(図書館で借りた本をかじらないようにするのが大変です。)
読書家に憧れている母から一歩進んで、本物の読書家になって欲しいなあとわくわくしています。
そして、本書で読書記録を勧めている通り、借りた本や買った本は表紙の縮小コピーをスクラップブックに貼って、楽しい読書記録ノートにしています。